恋愛劇+人生ドラマ劇として観ることのできる "大人の映画"。「男と女・人生最良の日々」は
老いたる人になってもステキでいたい、カッコ良くありたい。
この映画「男と女・人生最良の日々」を観たら、誰もがそう思う、そう願いたくなる。
主演のジャン=ルイ・トランティニャンは齢を重ねるごとに"いい男""味のある男"になっていったが、この映画のカッコ良さも演技でできているのだろうか?
やたら整形しまくる日本や韓国の俳優、女優
らまだ許せる。が、男優は?
老いても演技力で"いい男"を演じて欲しい、
役者なら。
1966年に「男と女」は制作された。
2019年にその映画を手掛けたスタッフが再結
集して、再び「男と女・人生最良の日々」が作られた。
元レーシング・ドライバーのトランティニャンと、その恋人で会ったアヌーク・エーメ演じるアンナの恋物語が、53年経って綴られる。
「男と女」の映像を絡めながら、映画は過去が最良の日々だったか?それとも恋人と再会する今が最良の日々なのかを、観る者に問いかけるように、時が流れていく。
「男と女」が作られたからこそ、この作品が生まれた。
続篇ではない。監督のクロード・ルルーシュもこの作品は続篇ではなく、一本の独立した映画として制作した、と語っている。
「男と女」は1966年に制作され、パルムドール賞、アカデミー外国語映画賞、脚本賞を受賞した。
この映画のサントラはフランシス・レイ作品で、こちらも色あせていない。
人生において男と女は何度も恋を経験してい
く。
何度も何度も恋愛をしていくことは、偶然的なようで、必然でもある。
恋をするから人生が楽しいと思えることもあり、恋が実らないから、生きていこうとするのかもしれない。
恋や愛は人生の永い時間の味付けであり、恋に生きることは出来なくとも、恋があるから生きていけるのかもしれない。
この作品を観て思い浮かんだのが、以前紹介した「眠れる美女」だった。
対照的なこの二つの作品。
沢山の恋をした人は「男と女・・・」に感動し、恋の数が少ない人は、「眠れる美女」を観て、納得るのかもしれない。
貴方は昔の恋人に再会したいですか?
再会した方が良いと思いますか?
しない方が良いと思いますか?
この映画は、あえて再会させることを良しとした。
過去を忘れるために人は生きていく。自分で意識しなくとも、生き続けることで過去が遠く、薄色へと変わっていく。
又、過去を忘れないために人は追憶に生きる
こともある。
どちらにせよ、人はやがて老いていき、死を迎る。
死を迎えるために生きているともいえる。
いい恋愛を沢山した人の老いたる顔は、神の
ように清らかと言われる。煩悩から解放されると、人は神に近くなる。
神に近くなるとは、生と死の間(はざま)が消え
てしまう、見えなくなる、解からなくなる、・・・。
ということらしい。
もう一度、おたずねしたい。
貴方にとって恋とは、愛とは、なんですか?
●「男と女・人生最良の日々」
(2019年 フランス作品)
監督/クロード・ルルーシュ
出演/ジャン=ルイ・トランティニャン、アンヌ・エーメン、他
0コメント