チェコは小さな国ながら音楽性に優れた国民性。ドヴォルザークは必聴
チェコという国を日本人は良く理解していない。
チェコは音楽的才能に恵まれた国民で、彼らが自慢するものが3つある。
ひとつはスメタナ、そしてピルゼン・ビール。そして最後はドヴォルザークだ。
チェコは東欧の中の小さな国ではあるが、音楽的にはドイツやオーストリアに次ぐ大国である。
ドヴォルザークは父親が音楽好きというくらいで、特に英才教育を受けた訳でもない。それでも大作曲家として育っていくところが、チェコの音楽の底辺がいかに厚いか、ということがうかがわれる。
ドヴォルザークの代表作は、やはり交響曲第九番ホ短調「新世界より」だ。
この作品はドヴォルザークの代名詞のようになっている作品で、彼が51歳の時に、ニューヨークのナショナル音楽院の院長として招かれてアメリカに渡る。
彼が初めて耳にしたアメリカ、インディアンの民謡や、黒人霊歌などの旋律が、この曲には組み込まれている。
「新世界より」という副題は、アメリカから祖国チェコへあてて音楽による手紙とでも考えた方がよいだろう。
この曲のテーマは、あくまでもチェコの精神であって、第2楽章のラルゴの旋律は有名であり、ドヴォルザークの郷愁の思いが実によくあらわれていて、胸をうつ。
後にこの旋律には歌詞がつけられ、「家路」という題で親しまれている。名盤は多い。
ここではドホナーニ指揮/クリーヴランド管弦楽団をおすすめ。
リズム処理の巧みさ、多彩官感の豊かさは素晴らしい。第二楽章もみずみずしい表現は出色だ。
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